当たり前ですが資金繰りを改善するには

事業再生

「入金はできるだけ早く」「支払はできるだけ遅く」が鉄則

ただ入金も支払も相手があることです

誠意をもって交渉すべきです(1番大事です)

入金期日について販売先と交渉をする必要があります。

この交渉の次第で資金繰りが大きく好転する可能性があります。

商売は、仕入を行い、その商品を販売した代金、その差額が利益となり現金増加となります。

しかし、実際は販売代金の入金よりも仕入に対する支払が先に発生するため、買掛債務の支払期日と売掛債権の入金期日との日数分だけ運転資金が必要であり、資金繰りに影響を与えます。

そこで、仕入商品が何日間で販売できるのかを考慮し、仕入先に対して、許してもらえる範囲で支払を延ばすような支払条件の交渉を行うことにより、資金繰りが楽になります。

ただ相手にも資金繰り予定があるので納得してもらう資料など提示します

さらに、理想を言えば手形はできるだけ少なくして現金払いにすることです。手形による支払が全くなければ、手形不渡りによる倒産はありません。

① 支払サイトの延長交渉
② 締め日を変える
③ 締め日を意識し、必要な分だけの仕入に努める

借入金の金利交渉、返済方法交渉

金融機関に対して、借入金の返済条件の交渉を行います。

まず毎月返済額の減額、返済期間の繰延、つまり利息のみ支払い、元金返済を一次猶予してもらう方法もあります。

金融機関と交渉するにあたっては、経営改善計画が必須となるのでリストラも必要になります。

経営改善計画を立てるときのポイントは次の4項目です。

① 金融機関からの借り入れは5~7年で返済するようにする
② 経費の削減計画を立てる
③ 収入計画はできるだけ低く見積もる
④ 設備投資はできるだけ抑える

貸付金・仮払金は一掃する

貸付金や仮払金、前払金は、一時的には発生することはありますが、本来1~3ヶ月程度で解消すべき科目です。

特に役員や関連会社に対する貸付金が発生し、それが長期的に残っている状況が続くと、金融機関からの融資が受けられなくなる場合もあります。

早急に回収して資金繰りを改善させる必要があります。

仮払金については、旅費の前借りなどを仮払金として処理をする場合が多いのですが、旅費精算のルールを徹底することが必要です。

また、赤字決算を避けるために賞与を仮払金や貸付金で処理する会社も見受けられますが、決してやるべきではありません。

そもそも賞与を経費化できないような経営状況であれば、賞与は支払うべきではありません。

社員を思う気持ちはわかりますが、それによって会社の資金繰りを悪化させることになるのであれば、本末転倒です。

① 旅費などの仮払金の精算ルールの徹底
② 旅費の前借制を廃止する
③ 貸付金解消のために賞与との相殺を行う

役員は私財を投げ打ってでも会社を守る

役員は、会社の倒産を避ける責任があります。

あらゆる対策をしても短期的に回復の見込みがなければ、役員は自らの資産を投げ打って倒産を回避することになります。

役員資産の投入は、資金収支を改善するという直接的効果もあること経営改善の取組みを役員が率先して示すという狙いもあります。そのような行為は社員のやる気を変化させます。

それでも限度があり無一文で事業も失敗とならないよう配慮します(専門家に早めの相談)

① 増資を行い、役員に出資させる
② 役員が会社に対して貸付を行なう
③ 少人数私募債を発行して役員にも引き受けさせる

少人数私募債の発行

社債の一種である少人数私募債を発行して資金調達を行うことで、資金不足を解消することができます。

少人数私募債は、次の要件を満たすことによって発行できます。

● 株式会社であること
● 発行人数が50人未満
● 社債総額を社債の最低金額で割った値が50未満
● 関係者に対し直接募集

メリットには、次のようなものがあります。

● 担保や保証人を不要にすることができる。
● 金利、償還期間を自社で決めることができる。
● 取締役会の決議で発行ができる。あとは、募集要項を決定してそれにしたがって、発行の手続きを進めればよい。

お問合せ
0120-777-123
https://arc-ma.jp/

アーク司法書士法人 代表社員 李永鍋

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