第二会社方式にはメリットとデメリットがありますが、安易に「第二会社方式」を利用すると法的に高リスクしかありません。
仕組みを理解した上で第二会社方式の事業再生スキームに取り組みましょう。
1つの会社で複数の事業を手掛けている場合、1つは黒字でも、違う部門では赤字の場合もあります。
再生型M&Aスキームの一種である「第二会社方式」とは、黒字事業(GOOD)と赤字事業(BAD)の2つに分けて、黒字事業を新設した会社へ移転する方法です。
第二会社方式にはメリットがある一方、利用する際に注意点もあります。
第二会社方式を活用するメリット・デメリットから、実行する上で気を付けたい部分について、お伝えします。
再生型M&A
まずは再生型M&Aについて。
経営がうまく行かず、今後、事業の継続が難しく、破産・倒産するか岐路に立たされることもあります。
事業再生で会社の継続を目指す方法として、中小企業で用いられているのが「再生型M&A」です。
法的整理を進めながら行われるM&Aで、将来的にも採算性が期待できない事業を切り捨て、収益性のある事業だけを残していくという方法です。
再生型M&Aには主に4つのスキームが存在しています。
・民事再生方式
法人格は残しつつ、スポンサー企業の子会社になって再建を目指す方法
・事業譲渡方式
優良事業のみスポンサー企業へ移行し、1事業で再生を図る方法
・会社分割方式
優良部門のみ別の法人へ移行し、赤字部門は債権者から協力を得ながら再建させる方法
・第二会社方式
優良部門のみ別企業(第二会社)へ移行し、不採算部門を特別清算手続きによって法人格をなくす方法
