1.資金繰り表
資金繰り表は2種類あります。日単位のお金の入出金を見る「日次資金繰り表」と、月単位での入出金を把握する「月次資金繰り表」です。
日次資金繰り表は別名「日繰り表」とも言い日々のお金の動きを追いかけるので、自社のお金の詳細な動きがつかめます。どちらかというと日々ベースでいつ支払いがあるのか、いつ入金があるのかを知らないといけない経理担当者向けです。
月次資金繰り表は月単位でお金の入金と出金を時系列化したもので、予測を立てるのに役立ちます。全体のお金の動きを把握して未来予測をしなければならない経営者向けです。
2.日次資金繰り表のメリット・デメリット
メリットとしては、何がいつ支払われているのかピンポイントでわかることです。デメリットとしては、情報量が多いため作成労力も多くなりがちです。そのため、1か月先、2か月先までといった比較的短期間のものになります。資金余裕のない企業は、目の前のお金がいつまであるのかをきちんと把握しないといけないので、日次資金繰り表が望ましいでしょう。
3.月次資金繰り表のメリット・デメリット
メリットとしては、長期資金繰り予測が立てやすいことです。
月単位予測なので3か月~1年程度までの作成は可能でしょう。デメリットとしては、その入出金がいつ発生するのかといった詳細な内容までは分からないことです。
4.資金繰り表作成のポイント
初めから詳細なものを作ろうとしないほうがいいです。目的は「いつの時点でキャッシュがどのくらい残るのか」を把握することです。1円単位まで正確に把握する必要はありません。とにかく作ってみることが大事。作っていくうちに精度は自然と上がってきます。
予定額はどんどん変更しましょう。日々行うのがベストです。請求書を発行したら資金繰り表に入金予定日・金額を即記載する、請求書が来たら資金繰り表に支払予定日・金額を即記載する、といったように、予定額が確定額に変わり次第、リアルタイムで書換えましょう。
慣れてきたら、予定と実績の対比ができる表へバージョンアップします。実績をみて予定をどんどん書き換えられるからです。
過去と現在と未来はつながっています。お金の流れも同じです。過去と現在がわからなければ未来は予測できません。「いつの間にかお金が無くなっていた」というようなことがないように、資金繰り表作成はどの企業にとっても絶対に必要です。まずは自社のお金の入金と出金のパターンを把握することから始めましょう。
