社会保険料の滞納が発生している場合、年金事務所に資産を差押えられる可能性があります。
原則として会社名義の財産の差押えしか、年金事務所はできません。
しかし社会保険料の滞納が発生し、年金事務所と分割で支払う約束などをした場合、「納付の誓約書」という
滞納分の社会保険料の滞納期間と金額
いついくら支払うのかという納付計画
会社名、住所などの会社情報
の内容を書いて、年金事務所に提出する書類があります。
納付の誓約書
分かりやすく書くと、「もし会社が倒産して一切の借金や債務を0にしたとしても、社長が個人として滞納した社会保険料を支払います」ということなのです。
いわゆる連帯保証人と同じ仕組みです。
この「納付の誓約書」を提出すると、滞納している社会保険料について社長個人が個人保証をつけたとみなされます。
この書類を提出することによって、滞納している社会保険料分として、社長個人の財産の差押えが可能になります。
納付の誓約書は、社会保険料の支払いが難しい会社が、ほぼ必ず年金事務所に提出する書類です。
滞納している社会保険料を分割で支払うので、年金事務所は会社の財産を差押えたりしませんよ、という約束を交わす書類なのです。
1〜2回ほど社会保険料を会社が払えず、すぐに倒産、自己破産をして滞納保険料の支払いから逃げようとする会社は、ほとんどないでしょう。
なんとか解決し、事業を継続しようとする社長がほとんどです。
払えない社会保険料が発生している状況でも、事業を継続しようとする場合は「納付の誓約書」をほぼ必ず年金事務所に提出します。
滞納している社会保険料に社長個人の保証をつけるのですから、この支払いから社長は逃げられません。
滞納した社会保険料を回収するために、年金事務所はあらゆる手を打ってきます。
そう簡単には社会保険料の支払いから逃げられない様、年金事務所はしっかりと仕組みを作っているのです。
多くの税理士事務所、弁護士事務所で
「会社を倒産させれば、滞納している社会保険料を社長個人が支払う義務は残りません」と言われます。
実際私も個人財産に差押をしたのは見たことありません。
しかし倒産しても、社長が滞納している社会保険料に個人保証をつけていることが多いため、社長個人に支払義務が残ることが多くありますので、注意が必要です。
