会社分割の濫用 詐害行為取消し

2014(平成26)年に改正される前の会社法では、会社分物の際に、分割後も引き続き分割会社(旧会社)に債務の履行を請求することができる債権者は債権者保護手続の対象外でした。

新会社に債務を移転しない債権者や、 新会社に債務移転された場合でも、会社分割と同時に、新会社と旧会社が連帯して債務を承継したり、旧会社が新会社に承継された債務を連帯保証した場合には、 債権者は会社分割に対する異議申立ての機会が保障されておらず、会社分割無効の訴えもできませんでした。

この法律の抜け穴に着目した、弁護士や事業再生コンサルタントが、会社分割を利用した事業再生を行い、債権者の理解を得ないまま会社分割を行うということが流行りました。

しかし、最高裁は、2012(平成24)年10月12日、旧会社の残存債権者は、 詐害行為取消権を行使して新設分割を取り消すことができると判示しました。

また、2014(平成26)年の会社法改正により、旧会社の債権者を害することを 知って吸収分割をした場合には、旧会社に残された債権者は、新会社に対して、承継した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができることが認められました。

このようなことから、第二会社方式を利用する場合には、債権者と十分に協議し、理解を得ることが重要です。

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アーク司法書士法人 代表社員 李永鍋

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