メインバンクの銀行Aから「売上の入金口座を銀行Bから当行に移してほしい」と言われました。
銀行Aからは、この移行による融資条件の見直しにも応じるとのことです。 銀行Aとの関係は良好です。銀行Bは保証協会付融資が一部残っているだけです。
- 売上金の入金指定は、銀行から見れば債権保全策の1つ
- 入金口座を集中した銀行とは、一蓮托生
- 中小企業は、運命をともにしてよいと思える、信頼できる銀行に入金口座を集中してください
金融機関の考え方
銀行がなぜ入金口座を自分の銀行に指定したがるかというと、以下の 2つのメリットがあるからです。
①融資先の管金繰りを把握できる
②返済滞納時、相殺することにより回収できる
会社の対応とポイント
入金口座を銀行指定の口座にすると、その銀行と生死をともにすることになります
資金繰りが把握できるので、業況に問題がなけれ銀行は融資をしやすくなります
一方で、業況が悪くなれば保全を求められやすくなります最悪の場合は、銀行は、保全を優先して、貸出先を潰す覚悟で、売上金が入った預金口座を凍結してくるかもしれません(実際にあります)
ある程度の規模で、かつ資金調達に困っていない場合であれば、売上の入金先は複数の銀行に分散するのがよいでしょう(2〜3行)
しかし、中小企業ではそうはいきません。
いずれかの銀行に入金を集中するのであれば、生死をともにしてよいと思えるような信頼できる銀行に入金口座を集中してください
プロパー融資を期待できない銀行から、プロパー融資が期待できるに銀行に入金口座を移すのがいいです
お願いベースではなく、「融資の条件として売上金の入金口座を当行に移してくれ」と言ってくることもあります。
これは、銀行の審査時に、「条件」として「入金口座指定」が付されているからです。
本部から見れば、「営業店はその融資を実行してもよいが、必ず決裁条件を充足しないといけない (入金口座を移さなければならない)」とするものです。
この場合は、融資を受けるためには、入金口座をその銀行に必ず移さなければなりません。
借り手の立場は弱いです
融資を受けるということは条件も厳しいです
