自宅のリースバックを終えて 

リースバック

経緯

資金繰り破綻を引き起こしてしまった場合
銀行借入の担保になっていた自宅が売られてしまう
社長やご家族はこれを恐れていました

さらに、当社は明らかな過剰債務であったため
抜本的な再生を果たすためには、第二会社を利用した再生手法を検討する必要がありました

会社を一度清算し新たに設立する新会社を使っての再生も検討する必要がありました

仮にそうした場合、社長は責任の取り方として
自宅の売却を強制されることも考えられた
逆に言えば、こうした手法を取りやすくするためにも
事前に自宅を防衛する方法を取っておく必要があります

そのため社長に対して
自宅のリースバックを提案しました

しかし、対象の不動産には立地の問題の他
建物に法律上の問題があったこともあり
リースバックを専門に行う不動産業者や投資会社に大家さんになってもらうことができませんでした

そこで、本件は、親族に大家さんになって頂くべく頼んで頂き、結果的に親族の1人が大家さんになってくれました

対象不動産概要

・自宅
・家族同居(妻・子供1人)
・土地:25坪
・建物:2階建て
・築35年
・特徴:崖地、違法建築

不動産評価額
・1000万円(積算評価)

担保状況
・地方銀行担保設定額2000万円(借入残金1500万円)

投資家への提案内容

・売却と同時に賃貸契約を条件
・不動産売却額に対して年利12%相当の家賃を支払う
・5年以内に買戻しを行う特約を付与(履行できない場合は要相談)

問題解決までの流れ

リースバックのご提案
不動産の調査/価格設定
リースバック専門の不動産業者、投資家へ提案
売却価格と諸条件の調整

債権者との担保権抹消合意
売買契約+賃貸契約の締結

代金決済(=債権者への返済)
所有権の移転
※自宅の所有権はなくなったが
家族の生活はこれまで通りで何も変わらず
家賃を払い続けている限り、自宅を追われるようなことは起こらない状態です

債権者との合意について

今回は、不動産を売却しても残金が残ってしまいます
本来、こういったケースでは売却ができないこともあります

しかし、会社を建て直していく過程において、
資産を売却し金融機関への返済に充てるという、前向きな計画を提示

不動産に様々な問題点があることを加味すれば、売却価格にも妥当性があったため無事に売買を認めて頂きリースバックを成立しました

成立のポイントは、

『不動産の価格設定』と『事業の再建計画』
リースバック5年後には買い戻しを実行

経緯

5年が経過したところで買い戻しの話がありました
契約上の期限という問題と直近では家賃の支払いが厳しいという切実な事情もあった

そこで、まだ勤務歴も短く、収入も少ないものの、同居の息子さんに住宅ローンを使って買戻しをして頂くことで毎月の支払額を現在の家賃の半額程度に抑える計画を作成
金融機関をご紹介し無事に買戻しをすることができました

■問題解決までの流れ

ご依頼
不動産の調査/価格設定
買戻しプランの作成
金融機関への打診

売主との諸条件調整
金融機関のご紹介/面談

融資審査

売買契約
融資契約及び代金決済(=投資家からの買戻し成立)
所有権の移転

終わりに

事業が傾き資金繰りが極度に悪化した際社長の家族内に大きな亀裂が入りました
大きな要因は、やはり、自宅を手放さなければならないかもしれないということです
社長の奥様から離婚すべきかの相談も受けたこともあります
こうした問題に、私たちが何かいえる立場にはありません

しかし、社長は厳しい状況の中、前を向いて必死に頑張ってました
その姿を見ていた私は、その通り社長は家族を守るためにできる限りの努力をされているとはっきりとお奥さんに伝えしました

今回の買戻しの際その奥様もいました
社長と奥様から「本当にお世話になりました」と笑顔で言われた言葉が救いです

お問合せ
0120-777-123
https://arc-ma.jp/

アーク司法書士法人 代表社員 李永鍋

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