社長が知人から借金した場合

李永鍋(リヨンファ)コラム

資金繰りが厳しい会社の社長が知人から借金した場合、いつ返すのかを知人に約束しても、約束の日に返せることは少ないです。知人は返済を促しますが、返せるお金がないのに返すことはできません。

資金繰りが厳しい会社の社長が知人から借金する目的は買掛先など取引先へ支払うお金がなく、その支払いにあてることです。それが目的であることが大半です。

知人から借金できたら買掛先など取引先への支払いにあてるため、借金したお金はすぐなくなってしまいます。約束の日に返すことはできません。

なぜなら約束の返済日には知人への返済の他、いろいろな支払いがあるからです。なお資金繰り表を作りいつ返せるか計算した上で知人に借金をお願いする経営者はめったにいません。

約束の日に返せなかった場合、当然ですが知人から催促が来ます。その催促に悩んでいる経営者は多いです。

貸した知人の方はもっと悩んでいます。借金した方は、知人から借金しその資金を使い、返せないというだけの話です。一方で貸した方は、自分のお金を自分のために使わず人に貸して返ってこないという話でありもっと悩んでます。

知人からの金を返せない経営者は、まずその知人へ、申し訳ないと思う気持ち、そしてお金を貸してくれたことへの感謝の気持ちを持たなければなりません。

しかし返せる現金はないので、事情を知人に説明した上で、どのように返済していくか、誠意を持って話し合いをしましょう。

知人は、一括で返すよう要求してくることでしょう。しかし借りた方は、その後、売掛金が多く入ったり銀行から融資を受けられたりして一時的に現金が多くなっても、一括で知人に返済するのは待ってください。知人へ借金を返すのは、資金繰り表を見て、一括で返しても問題ないと確認した上で行うべきです。

「銀行からの融資で知人に一括返済しない」

銀行から融資を受け、その資金を知人へ一括で返済した場合、銀行はそれを知ったら返済を求めます。知人へ返済する資金を借りたいと銀行へ申し込んだ上で銀行の了解のもと知人へ返すのならよいです。実際は、知人への返済を目的とした融資を銀行が行うことはめったにありません。

「借金を分割で返済する」

しかし知人には借金を返さなければなりません。知人へは、分割返済できないか相談してください。36カ月分割など、知人から借金している金額や、その知人との関係、また知人自身の資金繰りを考えながら、知人へ相談してください。できるだけ長い期間をかけた返済の方が、自分の会社の資金繰りは当然、楽になります。

返せず迷惑をかけているのはこちらです。現金ができたら全てを知人へ返済したくなるのは当たり前です。

ただ自分の会社の資金繰りを考えず知人へ一括返済し、自分の会社が立ち行かなくなってしまってはいけません。貸してくれた知人に申し訳ないという気持ちを持ちながらも分割返済にしてもらいます。

どうしても知人に一括返済するなら、その後、自分の会社が倒産しても悔いはないと覚悟した上で一括返済します。

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アーク司法書士法人 代表社員 李永鍋

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