プロパー融資を受けるには、決算書と実績

資金繰り

1プロパー融資を受けるには、決算書と実績

プロパー融資とは「銀行がリスクを取って行う信用貸し」を指します。

「“信用貸し”という意味で一度のプロパー融資」ではなく、「融資が続く形で銀行と取引をする」ことを目指したいものです。

プロパー融資であっても、金利が安いとは限りませが、長期的にプロパー融資を受けられる金融機関を開拓したいものです。

継続的にプロパー融資を受けるためには、何を意識すれば良いのでしょうか?

「決算書・実績を見て融資判断をしてくれる銀行と取引すること」です。

逆に、

・融資金額が年収の〇倍

・金融資産の〇倍

など、既存の属性に基づく定量評価のみで審査判断をする銀行だと、その基準を満たさなくなった途端にあっけなく取引が止まってしまいます。

2プロパー銀行との取引において信用の蓄積

プロパー融資を行う銀行との取引がスタートすると、信用が蓄積していきます。代表的なものとして、次のものが挙げられます。

  • 信用力の蓄積
  • 事業実績(決算書)の蓄積
  • 担保余力の蓄積

長く取引することで、銀行から見て“問題を起こす債務者”だという懸念は消えていきますし、決算書の数値が改善していけば、それを銀行が評価するという良い循環が生まれます。

担保物件に対する残債も減っていくので、担保としての余力も回復し、また新たな借入の担保になります。

キャッシュフローも大切ですが、返済期間が短くても、「担保余力」を基にして新たな融資が可能なケースもあります。

ただし、

  • 上記のような蓄積がない銀行
  • 一律で頭金2~3割を要求してくる銀行
  • 担保評価と物件価値の評価に大きな乖離のある銀行

プロパー融資を取り扱っていたとしても、長期的な取引がやりにくい銀行といえそうですので、注意が必要です。

3プロパー銀行と長く付き合う

プロパーを取り扱う銀行と取引をスタートさせるだけでは、継続融資につながるとは限りません。

保証協会付きなどで、継続融資可能な銀行と取引をスタートさせることにより、顧客としての取引履歴を蓄積させていけば、次につながる可能性も出てきます。

実績、担保余力の蓄積等が、最お初取引で審査されています。「担保は、融資を受けるに値する物件か。価値が銀行にも伝わる物件か」と言えます。

「なんでもいいから物件を買う」「どんな融資条件でもいいから取引をスタートさせたい」

という考えは、後々痛い目をみます。

銀行の評価方法というものは実にバラバラで、担保評価と銀行評価の乖離が大きくなることも多く、「こうすれば融資を受けやすい」などと言えません。

しかし、少なくとも「仮にすぐ売却をしてもある程度の利益を残せる物件」、を仕入れすることは意識しておきたいところです。

銀行員の中には、不動産に疎い人もいます。

しかし、決算書を読む力は持っている人がほとんどです。その物件が割安か、割高かの判断が付かない銀行員であったとしても、その物件がもたらす決算書には正しく評価を下してきます。

“会社に黒字をもたらす物件であること”が、プロパー融資を引くために重要なことですから、銀行と利害は一致します。

金利が上昇、入居者減、修繕などのさまざまなコストがかかるかもしれないこれからの時代に、「平均点の物件」を買うことが会社として正しい判断なのかは慎重に検討したいところです。

不動産を買うなと言いたいわけではなく、不動産を買い進めるのであれば覚悟をもって、今自分が買えるベストの物件をつかみ取る努力は怠ってはいけないということです。

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アーク司法書士法人 代表社員 李永鍋

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