銀行が「信用保証協会の保証付きで2,000万円を7月1日に融資するので、プロパー融資1,000万円を6月31日に定期預金を解約して返済してほしい」と言ってきた、応じたほうがいいのか。
対応
旧債振替は信用保証協会の保証免責事由です。
会社にとってリスクはあってもメリットはないので、信用保証協会から旧債振替とみなされる可能性がある提案を銀行がしてきた場合、断ってください。
※旧債振替とは、信用保証協会の保証付融資で受けた資金を、その銀行の既存の融資の返済に充てることをいいます。
全国信用保証協会連合会のホームページ抜粋。
原則禁止で、違反した場合は返済が滞っても保証協会は保証責任を負わないとするものですが、信用保証協会が予め承認した場合には例外として認められることがある。
信用保証協会は、中小企業・小規模事業者の事業資金の調達を円滑にすることを目的とする機関で、銀行を支援することを目的とはしていません、旧債振替の場合、保証協会が保証責任を負わないのは当然と言えます。
金融機関の考え方
旧債振替を勧める銀行の目的は貸倒リスクの回避です。
旧債振替は銀行にメリットがあり、会社(借入先)にはメリットがない行為です。
会社の対応と注意
1 会社から見た旧債振替のリスク
旧債振替が信用保証協会にバレたところで、信用保証協会が保証責任を負わないだけで、会社はすでに融資を受けている以上、信用保証協会の枠が使われること以外には不都合はないとも考えられます。
しかし、信用保証協会が保証責任を負わなくなると、当該銀行での与信リスクが大きく高まってしまい、新たな融資が受け難くなってしまいます。旧債振替は会社にとっても大きなリスクのある行為です。
2 実行日を変更したら問題ないか
旧債振替が信用保証協会にバレたときに一番困るのは銀行です。銀行から明らかな旧債振替を提案することはありません。
そこで、融資日と返済日を分けたら大丈夫でしょうか。
例えば、1,000万円のプロパー融資を6月31日に定期預金を解約して返済し、7月1日に信用保証協会の保証付融資を受けるのであれば大丈夫なのか。
それは信用保証協会の裁量で何とも言えません。
しかし確実にいえるのは会社にリスクはあってもメリットはないことです。
このような提案を銀行がしてきたら明確に断りしょう。
