準メインのB銀行から、「メインのA銀行からの短期借入金の金利は1.5%ですよね。返済期限がきたとき、当行へ借り換えていただければ金利は1.0%で対応します」と言われました。
◎他行から低利借換え提案があった場合は、その旨をメイン行に話す
◎“正々堂々”と“正直”の精神で銀行取引に臨むべき
金融機関の判断基準
準メインのB銀行は、低金利で、A銀行からメイン行の座を奪おうとしています。
優良企業のメインの座を掴めば、融資取引以外にも、為替手数料取引、不動産の斡旋、M&Aの斡旋等、収益機会が増えます。
B銀行は低金利でメインの座を奪えば、融資の利益は減少しても、トータルでは、大きな収益メリットがあると考えています。
企業の対応と留意ポイント
準メインのB銀行から、メインのA銀行からB行に借り換えないかと提案されたら、その旨をA銀行に話しましょう。
コンサルタントの中には、A銀行からB銀行へ借り換えたらA銀行との関係が悪化するから、借り換えるべきではないとアドバイスする人もいるようです。
A銀行になんの相談なしだとA銀行との関係は悪化することでしょう。
少なくともA銀行には正直に条件を提示してください。
銀行は、他行との関係は競争関係であると認識しています。
したがって、条件を出し合った競争に負けたのであれば、融資先企業を恨んだりしません。
優良企業に対して競争があるのは当然だと考えています。
借り換えを提案してくるB銀行は、必ずA銀行の既存融資よりはよい条件を提示してくるはずです。そうでなければ、企業側が借り換えに応じないからです。
企業側としては、折角の好条件をみすみす逃すのはもったいないです。
B銀行の好条件をA銀行に提案することで、A銀行にもっとよい条件の提示を確認してください。
結果としてA銀行が負けた場合、企業との関係を悪化させるのではなく、次の機会に取り戻そうとA銀行は考えます。
“正々堂々”と“正直”に銀行取引をすれば、銀行との関係が悪くなることを心配する必要はありません。
ただし、銀行と良好な関係を継続するには、銀行に適正な利益が得られるような配慮が必要です。
自社の利益ばかり追い求めるのは気をつけてください。
