私的整理には、2つのメリットがあります。
①事業価値の維持が図れる
私的整理は、その対象を債務者が任意に選択することができます。
法的整理は、債権者間の平等が強く要請されます。
そのため、 金融機関、 仕入先などの債権について一律に対象となり、支払いが停止され、それが事業価値の毀損を招くことになります。
私的整理は、仕入先などの 取引先に対しては、そのまま取引・支払いを継続しつつ、メインバンクなどの金融機関のみを対象として、リスケや債権の減額交渉を申し入れるということも可能です。
私的整理は、「事業価値の維持」という観点から、支払う相手である債権者を債務者が選択することができ、結果的に事業価値の維持が図れます。
②柔軟性がある
もう1つ、これも 「事業価値の維持」に集約されるのですが、 私的整理においては、個別事案ごとに再生計画が作成できます。
例えば、少額の取引先に全額支払うことができます。本来なら、債権額に応じて按分(プロラタ)すべきところ、取引先や事業継続を優先するため、柔軟に支払うことがメリットです。
