ポイント
・債務超過に陥ると、融資を受けられなくなる
・自己資本比率は30%以上を確保したい
債務超過に陥ると融資を受けられない
債務超過とは負債が資産を上回り、純資産の部の合計がマイナスにな っている状況のことです。
(要するに全財産を処分しても負債を全額返済できない)
BSとPLは「利益剰余金」でつながっています。債務超過というのは、PLに計上した赤字がBSの利益剰余金や資本金を食いつぶした状態です。
債務超過の会社は、金融機関の融査を受けることが難しくなります。
①儲かっていない
会社設立から現在までの利益トータルが赤字ということ
②財務体質が悪い
資産く負債なので、資産を全部処分すても負債を完済できない
③資金調達余力がない
債務超過の状態では、どの金融機関からも融資を受けることができない
債務超過を避け、自己資本比率を高める方法
自己資本比率が10%程度では、後述する「実態バランスシート」で見 た場合、債務超過とみなされる可能性があります。
自己資本比率は30%以上に引き上げていく 必要があります。
債務超過を避け、自己資本比率を高める主な手段とし ては、「利益をあげて剰余金を増やす」 「資産を売却してスリム化する」 「役員借入金の債務免除を行う」「増資」等があります。
・利益をあげて剰余金を増やす場合
利益は利益剰余金に蓄積されるため、PLで黒字を出すと純資産(利益剰余金)が増加し、自己資本比率が向上します。
役員報酬が高いと、その分、自己資本比率の改善に時間がかかります。
・資産のスリム化
自己資本比率はBS上の無駄な資産を処分して負債を減らすことによ っても改善します。資産に計上された有価証券を帳簿価格で売却処分して借入返済に充てつことでも改善します。
資産のスリム化というと固定資産に注目しがちですが、実際には、売掛金の回収サイトを早めたり、在庫を積極的に処分したりすることで も改善できます。
・役員借入金の債務免除を行う場合
役員個人からの借入金は、返済する必要があまりない場合は債務免除を行って純資産を増加させる手も考えられます。債務免除は債務超過の回避策としても比較的、よく使われているものですが、債務免除益による税負担や株主への贈与税が発生する場合がある点に注意が必要です。
・増資
増資して資本金を増やせば、純資産が増加し、自己資本比率が改善します。増資は、前述の役員借入金を資本金に振り替えて行うこともできます。(DES)
決算書には経営者の意図が必要です。
融資が受けれないと悩んでばかりでなく、少しでも改善するための努力が必要です。
