科目ごとのポイント

李永鍋(リヨンファ)コラム

売上高

売上高は推移が重要になります。銀行員は直近3年程度の推移を見て会社を判断します。
過去3年程度の売上推移に基づき「会社がどういう方向に向かっているか」を説明すれば、銀行員と情報を共有で きます。

売上総利益率

売上総利益を売上高で割った売上総利益率を銀行員はチェックします。この比率が高いということは、粗利を確保できていることを意味します。
銀行員は売上総利益率についても、売上高と同じように推移を見ます。

役員報酬

中小企業の決算書では、役員報酬を高くしたり、低くしたりすることで、営業利益以下の利益を調整することができます。役員報酬は、業績が良いときに引き上げられ、業績が悪いときに引き下げられます。
このため、役員報酬の増減には「社長の意図」が表れます。
リスケを申し込むと、銀行が「役員報酬の減額」をお願いしてくることがあります。
例えば、「1500万円の役員報酬を生活可能な限り下げてくださいと」(当然ではあります)
勘定科目内訳明細書で会社から社長に地代家賃が支払われてい ることが確認できる場合、「役員報酬+地代家賃」が社長の収入とみなされます。

給料手当

従業員の人件費(給料)を表します。銀行員は、人件費が大きく変動している場合、その中身について質問してきます。手当が増えている場合、銀行には「人材に投資して業容拡大を図っている」と説明すれば問題ありません。
逆に、人件費が下がり続けている 場合は会社が衰退期にあると思われないような説明が必要になります。
(人は財産、道具ではありません)

接待交際費

接待交際費は、社長の個人的な飲み食いを計上するなど、公私混同になりやすい科目です。
業種にもよりますが、銀行が接待交際費の多い 会社を評価することはありません。中小企業の税務上損金になる接待 交際費の上限は800万円であり、それを超えると目立ちます。
(会社のお金で飲み食いしない)

減価償却費

中小企業の決算書では、赤字を黒字に見せるために減価償却費を計上しなかったり、過少に計上することがあります。銀行員は法人税申申告書の別表16で償却不足(税務上の償却限度額とPLに計上した減価費の差額)を確認します。

営業利益
本業の利益。赤字なら早めに計画を黒字計画を立ててください。黒字化できないなら事業撤退です。
黒字化できない事業を、続けてる事自体が、借金の元と言うことです

営業外収益

営業外収益には、不動産の賃貸収入が計上されている場合があります。毎期一定の収入を得ている場合は、「読める数字」として銀行に内訳を伝えておきましょう。

営業外費用

営業外費用に計上される「支払利息」の水準は、財務格付けに大きく 影響します。「売上高支払利息率」や「平均借入レート」をチェックしてください。

経常利益

銀行は「経常利益が黒字なら融資は検討可能」「赤字が続けば融資は不可」 と判断します。
売上高経常利益率(経常利益÷売上高)の目安として、 製造業と建設業は2%、小売業と卸売業は1%を最低でも確保してください。

特別損益

特別損益(特別利益と特別損失)は、特別な要因で一時的に発生した 利益または損失のことです。固定資産売却益(売却損)、投資証券売却 益(売却損)などがありますが、あくまでもその期だけの損益であり、 通常活動による損益ではありません。

お問合せ
0120-777-123
https://arc-ma.jp/

アーク司法書士法人 代表社員 李永鍋

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