滞納処分の停止制度
滞納処分の停止とは、一定の要件に該当する場合に、滞納処分の執行を停止する制度です、国税の納税義務が消滅する制度です。
停止後、3年ほどで納税義務が消滅(即時消滅の規定もあります)する「究極の納税緩和制度」といわれていますが、適用要件が厳しいのも事実です。
しかし、「徴収事務提要」(2013年)では、「滞納者につき、法令に規定する滞納処分の停止の要件に該当する場合には、納税緩和措置の適切な適用の観点から、適時・適切に滞納処分の執行を停止する必要がある」と明記されています。
つまり、要件に該当した場合は、「停止しなければならない」ということです。
滞納処分の停止要件で、事業者で活用できるのは、いわゆる「細々停止」と呼ばれている規定です。「徴収事務提要」の中にある「滞納処分の停止に関する取扱い」のうち、「事業を継続している滞納者の取扱い」で明文化されているものです。
この要件を要約すると、表の3点となります。これらの要件が満たされる場合には、停止要件を満たしている可能性があります。
1) 3年間、新たに発生する税金は納期限に完納する、 また、その間に現在抱えている滞納税金を一定額納付し、 減少させている
2) 月額納付可能資金で最大限分納したとしても、完納まで10 年以上の期間を要する
3) 基本的には財産を有していないこと、多少の財産を有していたとしても、それを直ちに換価 した場合に事業の継続を困難にするおそれがある
滞納金額が大きくなれば、滞納者の悩みも大きくなります。その悩みにつけ込むように暴言を吐きながら取り立てようとする税務署・国税局も一部存在します。
しかし、猶予制度を活用しながら、3年間、新しい滞納を発生させず、滞納金額を減らすことができれば、滞納処分の停止の適用可能性が見えます。道のりは簡単ではありません。
要件に当てはまるのであれば、一人で悩まずに、相談し、請願権などを活用し、税務署、役所と交渉していきましょう。
