この時点では、交渉で解決することはかなり難しいです。
年金事務所の職員に対して「やれるものならやってみろ!」という言動は、最悪な行為です。
差押さえが見えている状態でも、丁寧で腰の低い姿勢は崩さないでください。
必ず誠意を持って対応してください
高圧的で失礼な態度や言動を年金事務所の職員に対してとると、差押さえの開始が早まるだけです。
「申し訳ありません。この財産をとられちゃうと年老いた両親、まだ学生の子供は路頭に迷います。なんとか交渉に応じてもらえませんでしょうか??」
と素直に謝り、現状を報告して交渉してもらえないか、話しを続けましょう。
財産を差押さえられた時の注意点
財産の差押さえについてですが、原則として法人名義の財産しか、年金事務所は差押さえができません。
しかし社長個人名義の財産を差押さえられる場合で解説したように、「納付の誓約書」を年金事務所に提出している場合は、納付の誓約書に書かれた滞納額に応じて、社長の個人名義の財産が差押さえられます。
納付の誓約書を提出していたとして、もし社長以外の両親、配偶者、子供名義の資産を差出すよう年金事務所に交渉されたら、断ってください。
法的には「納付の誓約書」を提出していなければ法人名義の財産のみ、「納付の誓約書」を提出していれば、法人名義、社長個人名義の財産の差押さえができます。
しかし別法人、親族名義の財産の差押さえは、年金事務所といえどもできません。
社長の親族といえども、親族が年金事務所に対して個人保証を入れているわけではないので、親族名義の財産の差押さえができる権利は、年金事務所といえどもないのです。
しかし社会保険料の滞納があり、その支払いが難しい状況なら、社長本人以外の資産も差出すよう、年金事務所はかなり強く言ってくると思います。
もともと払わなくてはいけない社会保険料を払えていないのですから、強く言われても当然のことです。年金事務所の担当者からの心証は相当悪いでしょう。
その状況で「私個人の資産は個人保証を入れてないのだから、差出す義務はない!」と一方的につっぱねないでください。
年金事務所の担当者も、お互いの落としどころを探るために交渉をしているのです。
「それならば社長個人の財産の差押さえは難しいですね」と思って頂けるよう、低姿勢で交渉にのぞんでください。
年金事務所は敵ではありません。
社会保険料を会社が払えない状況を、なんとか解決しようとしているのです。
お互い気持ちよく解決する方が、今後の交渉にもいい影響があります。
年金事務所から滞納している社会保険料の担保として、自宅を差押さえられる可能性があり、その上で自宅を守りたい社長は あなたの自宅が競売にかかったらどうすればいいのかを別途参照してください。
分割払いの交渉や他の交渉が決裂している場合
もし年金事務所との交渉が決裂している場合は、誠心誠意現状の苦しさを担当者に伝えましょう。
そしてなんとかもう一度交渉の席についてもらえるよう、粘り強く訪問し続けましょう。
正直、誠意、あきらめない、お互い様
こんな、当たり前の事が解決方法です
