私的整理手続における取引債権者の取扱い
(1) 私的整理手続の場合の取引債権者
私的整理手続は、一般に取引債権者の債権は全額弁済され、事業継続を図りながら進めていきます。
取引債権者への支払を停止し、債務免除等の要請を行うと、 取引が停止され仕入が困難になったり、取引が維持できたとしても現金払いや支払サイトの短縮等により資金繰りが厳しくなります。
また、私的整理を行っていることが広く知れ渡ると信用毀損が生じることから、顧客からの信用が失われるなど、事業価値が減少する可能性があります。
そうなると、事業再生もままならない状態になったり、スポンサーからの支援が無くなるかもしれません。
したがって、私的整理手続において取引債権の支払を継続するのは、事業毀損を避け事業価値を維持して事業再生を行うことができるため、金融機関債権者への弁済額を増大させると考えます。
また、このような事業価値維持、弁済額の増大化の観点以外にも、多数の取引債権者が手続に加わることは、全員の合意が必要な私的整理手続においては合意形成が困難になるという手続的な側面における問題も生じます。
(感情的で経済合理性を理解しない取引債権者もいます)
取引債権者を手続の対象債権者とするデメリット
取引停止による仕入困難
信用致損により新規の仕入先も見つからない
支払サイトの変更等による資金繰りへの影響
顧客離れによる売上の低下
事業価値の毀損、低下
スポンサーによる譲渡価格の減額



