A. 一括請求されます。
担保不動産が処分されます。
サービサーに債権譲渡されることが一般です。
銀行との契約どおりに返済ができないにもかかわらず、リスケが認められないと、返済できないので延滞することになります。
延滞回数が一定回数を超えると(3回)、「期限の利益」を喪失し、一括返済を求められます。
もっとも、借り手は分割で払えないのに一括返済をできるわけはありません。
その後の流れ
①信用保証協会分
まず、信用保証協会が銀行に肩代わりして支払います。
これを代位弁済といいます。
信用保証協会が銀行に代位弁済を行うと、債権(求償権)が信用保証協会に移ります。
ここから先は場合によりますが、担保不動産を処分したうえで 「事業を継続して、精一杯の金額を返す」ということであれば、わずかな返済額で返済期限の延期に応じてくれることもあります。
また、事業を廃業して、代表取締役が保証していた場合、少額な返済額を当面支払うことを約束すれば、訴訟などの法的措置までは行わないことがあります。
もっとも、サービサーのように、債務免除ということはしてくれません。
サービサーは民間企業なので営利を重視しますが、信用保証協会は公的な機関なので建前を重視します。
債務者を不当に困らせるような手荒なことはしてこないかわりに、税金で運営されているので債務免除は応じられません。
②プロパー融資分
銀行はまず、預金と借入金との相殺をします。
その後、無担保の場合は、サービサー へ債権譲渡されるのが通例です。
担保がある場合は、融資先企業との話し合いにより、任意に担保処分をしてその売却金で返済をする任意売却が求められます。
競売等の法的手段をとるよりも、任意売却をしたほうが高く売れるので、銀行にも融資先企業にもメリットがあるからです。
任意売却後、残った債権はサービサーへ債権譲渡されるのが通例です。
もっとも、融資先企業が拒否をすれば任意売却はできません。また、銀行が任意売却に応じないこともあります。
(売買金額や買主属性、適正透明さに問題がある場合)
任意売却がうまく進まない場合、法的手段に進みます。
代表的なのは担保不動産の競売です。競売は時間がかかるうえ (6か月程度)、売却価格も市場で売却するより安くなりがちです。
銀行は担保の競売等により回収後の残債権をサービサーに譲渡します。
銀行が回収を急ぐときは、銀行は担保付きでサービサーに債権譲渡をします。その場合、サービサーが担保の任意売却や競売を行うこととなります。
サービサーへの債権譲渡が行われるのは、多くの場合、リスケの拒絶直後ではなく、概ね半年程度経ってからになります。
銀行はサービサーに債権譲渡する際は入札形式をとりますので、その準備期間が必要だからです。
債権譲渡までの間は、債権回収の専門部署または銀行から回収委託を受けた系列サービサーが、督促や債務者の調査を担当します。
銀行からサービサーへの債権譲渡は下記の流れです。
①銀行の債務者に対する貸付全100が不良債権化
②銀行がサービサーへ債権100を30で売却
③銀行は売却損▲70を計上して無税償却
(売却代金30−貸付債権100)
④サービサーは債務者から最大貸付債権100を回収
(30を上回って回収できた部分がサービサーの利益)
