貸借対照表(BS)では何を伝えるか
コメント例
・長期借入金の返済により、現金が減少しました。
・1月にA社との取引開始。
(売掛金が増加、現金が減少した理由)・投資等に関係会社への貸付金20百万円を計上、内5百万円を回収済。貸付金は今後3年間で完済を受ける予定。
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決算説明はPL (業績) を中心に行います。
BSについても伝えるべき点を伝えておかないと、必要以上に悪い評価を受ける場合があります。
「質問にのみ答える」という会社が少なくありませんが、
できれば提出資料にポイントを記載し、情報開示の姿勢をアピールしてください。
銀行に対するBS説明で重要なのは、主に以下です。
①現預金の増減
会社の平均月商を割り込むまで現金が減っている場合、現金が減少した原因を銀行に説明する必要があります。銀行は企業が必要な現預金を月商の1か月と見ています。
(当然です、1月も回らない会社に融資は出ません)
② 借入金の増減
長期借入金が減少した場合、現金が減った原因は、約定返済による長期借入金の返済にあるので、 資料にもそのことをコメントしてください。
折り返し融資 (これまで返済した分を借り直す融資) を受けることによって、現金を正常水準に戻す必要があります。
銀行は他行の貸出状況を見て融資を判断するので、資料には金融機関別の借入残高(借入金の内訳)を載せるといいです。
③資産が増加した理由
売掛金が多くなると、金融機関は「取引条件の悪化」や「不良債権の発生」を疑いがあるため増加した理由をコメントします。
棚卸資産や有形固定資産などについても金額が大き
くなった場合「理由を明確」にすることが重要です。
資産の増加は、回転期間を見ないと判断できないです。銀行は、売掛金、棚卸資産、仕入債務の増減を必ず回転期間の推移で確認します。
(売上増加に伴う、資金回収が適正か※黒字倒産)
④貸付金、仮払金
銀行は、社外に資金が流出する「貸付金」や、内容が不明な「仮払金」を嫌います。
(一番の注意点、そもそも、こういう会社は資金繰り自体が上手くいきません)
貸付金や仮払金が発生した場合は 、その内容や回収予定などを伝えるようにします。
貸付金や仮払金の詳細情報を銀行に説明することは、銀行との信頼関係強化につながり、融資が出やすくなります。
