同じ清算型の解散である「破産手続き」と比較した場合、特別清算の特徴としては5つがあげられます。 特別清算は、破産と比較すると手続きに柔軟性があり、簡易迅速であるといえます。
特別清算の5つの特徴
1簡易・迅速な手続き
2手続きの主導権が債務者会社にある
3 否認権がない
4「破産」というマイナスイメージの回避
5債権者が関与する余地がある
破産の場合には、手続開始と同時に、 会社財産の管理処分権が破産管財人に移り、以後の手続きは破産管財人によって行なわれます。 破産会社の経営者は、 破産管財人に協力する立場となります。
しかし、特別清算の場合には、株主総会で選任された特別清算人が財産の管理処分を行なうため、社長=株主の中小企業においては、会社の社長や株主が主導権をもって清算手続きを進めることができます。
破産手続きの場合、破産管財人には、債権者の利益のために強い権限が認められています。 たとえば、破産手続き開始前の一定の会社の財産処分行為を否定する「否認」という制度があります。特別清算には、そのような制度はありません。
特別清算前に特定の債務者に対して弁済をしていたとしても、その効果が否定されることはないのです。したがって、特別清算と他の任意整理手段を組み合わせて利用することが可能です。
さらに、「破産」した会社というのは、未だ世間ではマイナスイメージを与える響きがあります。
しかし特別清算は、破産と同様に清算型の手続きであるにもかかわらず、「破産」というマイナスイメージもなく、会社を整理したイメージで受け止められます。
特別清算の場合は、協定案に対して債権者の総債権額の3分の2以上の同意等が必要であるため、その過程で債権者の意向が反映されることになります。
債権者の数が少なく、大口債権者の理解と協力が得られるようなケースは、 特別清算に適しているということができ、その意味で、裁判所の監督を受けるものの、私的整理(任意整理) に近い手続きと いうことができます。
まとめ
破産との違い5つの特徴
特別清算の手続きは、裁判所の監督のもとに行なわれる。
