銀行に関係会社を含む説明を求められた

事業再生

質問
当社は製造業で、関係会社を経由して材料を仕入れています。メインバンクから「経営実態を把握するため、関係会社との取引や財務内容を説明してほしい」と言われた。

経営不振で資金繰りが苦しい状態が続いているため、仕入の単価調整によって赤字を関係会社にまとめ、当社は黒字の決算を組んでいます。

関係会社は、すでに金融機関からの借入が困難になっているため、経理上、当社から関係会社に貸付をして赤字資金を補てんしている状況です。

ポイント
①「会社間の資金の流れ」と「グループ全体の資金繰り」を資料にして提出する

金融機関の判断基準

銀行から関係会社の決算書を見せてほしいと言われることはよくあります。

その目的は
①関係会社への出資金・貸付金が帳簿価格に見合う価値があるかを見たい
②グループ会社全体で評価をしたい
③関係会社にも新たに融資をしたい

のいずれかです。

この点、銀行と取引のある会社 (グループの中心会社)の決算書上、 関係会社への出資金・貸付金の金額が大きい場合は①の可能性が高いです。

商流上、グループ会社が深く関与している(例:仕入はグループ会社経由が多い)場合、②の可能性が高いです。グループ会社との関係が密接であれば、①と②双方の目的をもっていることとなります。

一方、銀行員は、貸出金額の他に、新規取引先(融資先)のノルマを負っていることが多いです。銀行員は顧客企業のグループ会社に新規融資をできそうな会社があれば、少額でも融資をして、新規取引先数の実績を考えています。

会社側として注意をしなければいけないのは、銀行が①または②の目的でグループ会社の決算書の提示を求めてきた場合です。

関係会社等に赤字を移転して本体の決算を黒字にしているケースは、比較的よくみかけます、銀行はそのようなケースではないかと、常に取引先を疑っているからです。

そこで、銀行がある程度本格的に審査をしようとする際には、必ず関係会社の情報開示も求められ、実態を確認されます。

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アーク司法書士法人 代表社員 李永鍋

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